ファミリーマートが2026年1月28日、世界累計5億食以上のフードロス削減実績を持つアプリ「トゥー・グッド・トゥー・ゴー」との連携を発表した。池袋・駒澤大学・青山エリアの都内6店舗でパイロット運用を開始し、廃棄量を約5%削減することに成功している。コンビニ業界が本格的にデジタルツールでフードロスに向き合い始めた。
世界19カ国・17万店舗に広がるアプリの仕組み
「トゥー・グッド・トゥー・ゴー」はデンマーク発のフードロス削減アプリだ。消費者はアプリを通じて、閉店前の売れ残り商品を「サプライズバッグ」として定価の50%以上引きで購入できる。何が入っているかは開けるまでわからない仕組みが「サプライズ感」として受け、2016年のサービス開始以来、欧州・北米・アジアの19カ国・17万店舗以上に展開している。
今回のファミリーマートとの連携では、サプライズバッグの販売に加え、消費期限が迫った商品に「涙目シール」を貼り付けて消費者に訴求する手法を組み合わせた。2つのアプローチを掛け合わせることで、パイロット店舗では廃棄量を約5%削減する成果を上げた。
ファミマの2030年目標――廃棄50%削減への道筋
ファミリーマートは2030年までに食品廃棄を2018年比で50%削減、2050年には80%削減という目標を掲げている。今回のアプリ連携はその一手だが、年間換算での削減見込みは約3,000トンとされており、目標達成には更なる施策の積み上げが必要な段階だ。
一方で、この取り組みが示す価値はコスト削減だけにとどまらない。Z世代が選ぶ食品。環境配慮がブランド力になる時代でも取り上げたように、特に若年層は「環境への姿勢」をブランド評価の軸に置く傾向が強まっている。フードロス削減の取り組みをアプリという「見える化」された形で消費者に届けることで、ブランドへの信頼感醸成にも直結する。
食品製造の現場への示唆――廃棄を「出てから処理する」発想の限界
コンビニの取り組みが注目される一方、食品廃棄の本質的な発生源は流通の末端だけではない。規格外野菜とフードロスの関係性でも整理したとおり、農産物では産地での廃棄(産地廃棄)まで含めると年間約400万トンが市場に出回ることなく廃棄されている。この数字は公式のフードロス統計にも含まれていない「見えない廃棄」だ。
乾燥加工は、この問題への製造側からのアプローチとして機能する。水分を除いて保存性を高めることで、「売れ残り」や「規格外」が生まれる前段階で食材を商品化できる。乾燥野菜の作り方とは?製造の流れと”乾燥に向かない野菜”への工夫を解説で紹介しているように、乾燥技術は廃棄ロスを構造的に減らす手段の一つでもある。
今後、流通・小売が廃棄削減を加速させるほど、「そもそも廃棄が出にくい素材・加工方法」を選ぶ動きも強まるだろう。廃棄を「出してから処理する」から「出さない設計に変える」へ――コンビニの動きは、サプライチェーン全体での発想転換を促している。
