チョコレートの原料であるカカオが気候変動による供給不安を抱えている。そんな中、イオンがヒマワリの種を使ったチョコレート代替品「チョコか?」を2025年から発売し、大手流通でのサステナブル食品展開として注目を集めている。
イオンがカカオ不使用チョコを発売 原料はヒマワリの種
「チョコか?(Chococa?)」はカカオを一切使わず、ヒマワリの種を主原料とするチョコレート代替品だ。チョコレートに近い風味と食感を実現しながら、カカオ産地への依存を減らすというアプローチが特徴。イオングループの棚に並んだことで、環境志向の特定層だけでなく、一般消費者が手に取る機会が広がった。
カカオはアフリカや中南米の赤道付近に産地が集中しており、気候変動によって収穫量が不安定になりやすい。加えて産地での児童労働問題も長年指摘されてきた。「おいしくて環境にもやさしい代替素材」への需要が高まる中、大手スーパーがこれを商品化したことは一つの転換点と言える。
代替食品が「特別なもの」から「日常品」へ
代替肉や植物性ミルクが普及してきたように、チョコレートの領域でも同じ動きが始まっている。日本では「菌糸肉」(麹カビを培養して牛肉に近い食感を実現する技術)や培養ウナギの研究も進んでおり、食材そのものを代替する取り組みは加速している。
こうした動きの背景にあるのは、「原料の安定調達」という食品業界共通の課題だ。単一産地・単一品目への依存度を下げることは、企業にとってサプライチェーンリスクの低減でもある。「チョコか?」は環境訴求だけでなく、原料調達の分散という実利的な意味合いも持つ。
野菜加工業界にも共通する「素材の再定義」
「主役だった原料を別の素材で代替する」——この発想は乾燥野菜・パウダー加工の世界にも通じる。規格外野菜や加工残渣を粉末化・乾燥化することで、見た目の問題を乗り越えた新しい商品価値が生まれる。
注目のアップサイクル食品ブランドの流れはチョコレート業界だけでなく、野菜の一次加工においても同様だ。野菜パウダーの栄養価とメリットが再評価される中、素材を無駄なく使い切る加工技術の価値は上がっている。Z世代が選ぶサステナブルな食品というトレンドともあわせると、「代替・アップサイクル・国産素材」の組み合わせは今後の商品開発キーワードになりそうだ。
