環境省は、令和5年度(2023年度)における日本国内の食品ロス発生量が約464万トンであったと公表した。前年度(令和4年度)の約472万トンから8万トンの削減となり、着実な改善傾向が続いている。ただし、政府が掲げる2030年度目標の達成には依然として大幅な削減が必要であり、官民を挙げた取り組みの加速が求められる状況だ。
令和5年度の内訳:事業系231万トン・家庭系233万トン
今回公表されたデータの内訳は以下のとおりだ。
| 区分 | 令和5年度(2023年度) | 令和4年度(2022年度) | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 事業系食品ロス | 約231万トン | 約236万トン | ▲5万トン |
| 家庭系食品ロス | 約233万トン | 約236万トン | ▲3万トン |
| 合計 | 約464万トン | 約472万トン | ▲8万トン |
事業系・家庭系ともに削減が進んでいるが、数値規模で見れば依然として年間464万トンという膨大な量の食料が廃棄されている現実は重い。食品ロス削減推進法(令和元年施行)に基づく各種施策の継続的な実施が、この削減トレンドを支えている。
2030年目標との乖離:達成へ道半ばの状況
日本政府は食品ロス削減の数値目標として、2030年度までに家庭系を2000年度比で半減、事業系を2000年度比で60%削減することを掲げている。食品ロス削減の2030年目標の詳細についてはこちらの記事も参照されたい。
2000年度の食品ロス発生量は約900万トンとされており、家庭系については当時の約半分程度まで削減が進んでいる計算になるが、事業系の60%削減目標に対してはまだ差がある。食品ロス2023年の記録的な削減に関連する動向とあわせて、今後の推移が注目される。
特に家庭系食品ロスは、個々の消費行動に直結するため、啓発活動や小売・外食との連携が不可欠となる。Too Good To Goのようなフードシェアリングサービスの普及や、フードバンク認証制度の整備など、民間・行政双方からのアプローチが進んでいる。
食品廃棄削減の背景:農業・流通全体への波及
食品ロスの削減は、廃棄コストの低減や温室効果ガスの排出抑制という観点からも重要な取り組みだ。農業生産から加工・流通・消費に至るサプライチェーン全体で発生する無駄を減らすことは、持続可能な食料システムの構築に直結する。
また、野菜類については収穫後の規格外品や余剰分が廃棄される割合も高い。野菜不足と乾燥野菜の活用といった視点も含め、生産段階での食品ロス対策と消費者への付加価値提案を組み合わせたアプローチが今後さらに重要性を増すだろう。
環境省は引き続き食品ロス削減に向けた施策を推進するとしており、2030年目標の達成に向けた今後の政策動向が注目される。
(出典:環境省プレスリリース https://www.env.go.jp/press/press_00002.html)
