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農水省、2026年4月の野菜価格見通しを発表——キャベツ・レタスは平年比で下落、ばれいしょ・たまねぎは高値継続

農林水産省は2026年3月31日、東京都中央卸売市場向け野菜の4月の生育状況と価格見通しを公表した。2月下旬以降の降雨と気温上昇で多くの葉物野菜の生育は回復し、キャベツやレタスは供給量が平年をやや上回って価格が平年比で下落する見通し。一方、昨夏の北海道産干ばつの影響を引きずるばれいしょとたまねぎは依然として出荷数量が平年を下回り、高値推移が続く。

目次

品目別の価格見通し

農水省が主産地への聞き取り調査をもとにまとめた4月分の見通しは以下の通り。

品目主要産地出荷数量価格見通し
キャベツ神奈川・愛知・千葉やや平年上回る平年比下落
レタス茨城やや平年上回る平年比下落
ばれいしょ鹿児島・北海道平年下回る平年比高値
たまねぎ北海道・佐賀平年下回る平年比高値
さといも各産地やや平年下回るやや平年上回る

葉物野菜——回復の背景

キャベツは神奈川・愛知・千葉の3産地が主力。神奈川産は生育が順調で、愛知産も1月の少雨から2月下旬以降の降雨により生育が回復した。千葉産は4月下旬以降に本格的な出荷増が見込まれており、4月全体では供給がやや平年を上回る。前年来の高値が続いていたキャベツ価格だが、今春は消費者にとって購入しやすい水準に戻る見通しだ。

レタスは茨城産が約62%のシェアを占める主産地。1月の少雨で生育が後ろ倒しとなっていたが、2月下旬以降の降雨と気温上昇で生育が加速し、4月の出荷は平年並みまで回復する見込み。価格は平年を下回り、消費者の手に届きやすくなる。

はくさい・ねぎ・ほうれんそう・ブロッコリー・きゅうり・なす・トマト・ピーマンなどの品目も、気温上昇とともに生育が回復し、多くが平年並みかそれを下回る価格水準で推移する見通しとなっている。

根菜・いも類——昨夏の干ばつ影響が長引く

ばれいしょは鹿児島産(シェア約64%)と北海道産(同31%)が主力だが、北海道産が2025年夏の高温・干ばつの影響で出荷量が大幅に減少し、鹿児島産も冬季降雪で生育が遅れた。4月の出荷数量は平年を下回り、価格は高値での推移が続く見込みだ。

たまねぎは北海道産(約61%)と佐賀産(同22%)が主要産地。北海道産は昨夏の高温・干ばつ、佐賀産は冬季の低温・乾燥によって生育が遅延し、いずれも出荷数量が平年を下回っている。当サイトでは昨年末から今春にかけてのタマネギ価格動向を継続的に追っているが、

なお、今年3月時点のタマネギ市況については、京浜市場のタマネギ、佐賀産増量で高値局面が転換でも詳しく報じた通り、佐賀産の増量によって高値が転換し始めていた。しかし農水省の4月見通しでは引き続き供給不足が見込まれており、価格の本格的な下落は5月以降にずれ込む可能性がある。

背景——2025年夏の気象が今なお影響

今回の価格分布の二極化を生んだ主因は、2025年夏(令和7年)に北海道全域を襲った記録的な高温と干ばつだ。露地栽培が主体のばれいしょ・たまねぎは高温ストレスと水不足によって収量が落ち込み、その影響が2026年の春先まで長期的に尾を引いている。

一方、加温ハウスを利用しない露地の葉物野菜は、気温上昇という追い風を受けやすく、今春の温暖な天候が回復を後押しした。気候変動の影響が品目ごとに異なる形で現れており、産地リスクの分散という視点からも、国内野菜の安定調達のあり方が改めて問われている。

フードロス削減の観点では、価格が平年比で下落する品目については消費量増加が期待される一方、高値が続く品目では家庭での使用量が抑えられ、フードバンクや学校給食への余剰食材の供給が難しくなる側面もある。Too Good To Goがスーパーバリューで展開するような惣菜の食品ロス削減施策(Too Good To Go、スーパーバリューで惣菜フードロス削減)とも連動して、農産物の安定供給と廃棄削減を両立する仕組みづくりが急務だ。

4月の消費・農業経営への示唆

農水省は毎月「野菜を食べよう」プロジェクトを推進しており、旬の安価な野菜を積極的に消費者に紹介している。4月は価格が下がるキャベツやレタスを中心に据えたメニュー提案が増える見込みだ。農業経営者の立場では、ばれいしょ・たまねぎを中心に産地と品種の分散確保が引き続き重要課題となる。また、規格外野菜の活用(JA熊本経済連がワケあり野菜を和紙ライトに再生)など、価格変動リスクを商品開発につなげる動きも注目される。

農水省は引き続き毎月の生育・価格見通しを公表しており、卸売価格の推移は農林水産省の日別情報サイトでも確認できる。

【引用元】農林水産省「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年4月)について」(2026年3月31日発表)
URL: https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/engei/260331.html

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この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO
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