2025年10月、株式会社グリーンエースがアップサイクルフードブランド「upvege(アップベジ)」を正式ローンチした。独自の粉末化技術により、形やサイズが規格に合わず市場に出回らなかった「未利用野菜」を、色・香り・栄養をそのままに高付加価値製品へ転換する取り組みだ。規格外品を廃棄するのではなく原料として活用するビジネスモデルは、食品ロス削減とSDGs対応の両立を求める食品業界の課題に応える動きとして注目されている。
「未利用野菜」が年間200万トン廃棄される現実
農林水産省の推計では、農業生産段階での廃棄量は年間約200万トンにのぼるとされる。その多くは、曲がった・小さすぎる・傷がついた、といった「規格外」を理由にした廃棄だ。味や栄養価はほとんど変わらないにもかかわらず、見た目の基準で市場から弾かれる野菜が大量に存在する。
規格外野菜とフードロスの関係性|解決策と取り組み事例でも詳述しているとおり、この問題の解決策として有力なのが「乾燥・粉末加工による原料転換」だ。パウダー化すれば形状は一切問われず、むしろ均質な品質が確保しやすくなる。
upvegeが示すパウダー化ビジネスの可能性
「upvege」が採用する粉末化プロセスでは、低温乾燥技術を活用して熱による栄養素の損失を最小化している。製品は野菜スムージー素材・調味料原料・機能性食品素材として展開され、SDGs対応を訴求したOEM原料としての引き合いも強いとされる。
野菜パウダーの栄養価とメリットは?保存性・健康効果まで徹底解説にあるように、野菜パウダーは常温長期保存・計量の容易さ・食品への混入しやすさが強みだ。規格外品を原料に使う場合でも、最終製品の品質は通常品と遜色なく仕上げられる。
また、食品OEM市場の動向2026|小ロット・国産素材ニーズから見る成長戦略が示すように、国産素材へのこだわりと小ロット対応ニーズが同時に高まっている。規格外野菜を使ったパウダーは「国産」「サステナブル」「廃棄ゼロ」という三拍子が揃った商品として、バイヤーへの訴求力が高い。
アップサイクルをOEM商品開発に活かす方法
食品メーカーやスーパーのPB商品担当者が「アップサイクル原料を使いたい」と考えた場合、OEMメーカーへの相談が最短ルートになる。重要なのは以下の三点だ。
- 原料の出所(産地・農家)を開示できること
- 規格外品を受け入れる加工体制があること
- 最終製品の品質基準を通常品と同水準で満たせること
素材加工OEM京都で高付加価値商品を作る|技術選定と品質管理の要点でも解説しているが、産地・加工技術・品質管理の三要素が揃ったOEMパートナーを選ぶことが、アップサイクル商品の成功条件となる。
サステナブル訴求が購買行動を変える
消費者調査では、Z世代を中心に「購入する食品の環境負荷を意識する」割合が年々高まっている。Z世代が選ぶ食品。環境配慮がブランド力になる時代にあるように、同価格帯なら「サステナブルな商品を選ぶ」という消費行動はもはや一部のトレンドではなく、主流になりつつある。
規格外野菜のパウダー化・商品化は、フードロス削減という社会課題への解答でもあり、ブランド価値を高める経営戦略でもある。「upvege」の登場は、こうしたビジネスモデルが食品業界に根づき始めたことを示す一例だ。
(参照:株式会社グリーンエース「未利用野菜に新たな命を。アップサイクルフードブランド『upvege』誕生」PR TIMES 2025年10月)
