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乾燥野菜の作り方とは?製造の流れと“乾燥に向かない野菜”への工夫を解説

乾燥野菜(ドライベジタブル)は、野菜の保存性・調理効率を高める方法として、家庭だけでなく業務用やOEM用途でも注目されています。特にコロナ禍以降、備蓄やローリングストック需要も高まり、長期保存が可能な食品としての価値が再認識されています。

しかし、すべての野菜が乾燥に向いているわけではありません。「乾燥野菜干し野菜)にできない野菜」もあり、乾燥された状態で存在すると便利な野菜もあります。そういった野菜はニッチですが、ニーズが存在しています。

この記事では、乾燥野菜の基本的な作り方・製造の流れとともに、向かない野菜の特徴と活用事例を交えながら、開発の現場で使える知識を解説します。

目次

乾燥野菜の作り方と製造の流れ

乾燥野菜は「野菜の水分を取り除いて長期保存できるようにしたもの」です。使いたいときに水戻しして調理できるほか、戻さずそのままスナックやトッピングにも使えるなど、汎用性の高さが魅力です。乾燥の方法には大きく3つの手法があります。

乾燥方法

特徴

適した用途

熱風乾燥(エアードライ)

40〜60℃程度の温風でじっくり乾かす。風味・栄養価が残る

パウダー、加工品原料など

干し野菜

天日で数日間じっくりと時間をかけて干す。太陽光を浴びて旨みが濃縮する。

切り干し大根などの料理用原料

真空凍結乾燥(フリーズドライ)

−30℃で凍結後に真空で昇華乾燥。風味・食感・栄養価がほぼそのまま

スープ具材、みそ汁、宇宙食

実際の製造工程は以下の通りです。

乾燥機に野菜を入れている画像

製造の主な流れ(熱風乾燥)

仕入・洗浄・下処理:野菜の状態を見極めながら、土・農薬残留・異物を除去します。

カット(厚み・形状の調整):乾燥ムラを防ぐため、野菜の性質に応じて厚みを整えます。厚すぎると乾きにくく、薄すぎると割れやすくなります。

乾燥:熱風・低温・フリーズドライなど、用途と原料に合わせて適切な方法を選択します。

選別・包装:仕上がりをチェックし、異物や不良品を除去。用途に応じて小分け・バルク包装を行います。

乾燥に向かない野菜とその理由、製品化の工夫

「乾燥野菜に向かない」とされる野菜にはいくつかの共通点があります。しかし、製造方法の工夫次第で活用の道を広げることも可能です。

水分が多すぎる野菜(例:きゅうり・レタス・もやし)

きゅうりやレタスは90%以上が水分で、乾燥に時間がかかりやすく、香りが飛びやすい上、残る量がごく少量になります。そのため、効率や歩留まりの面で課題が多いとされています。かといって高温で乾燥すると焦げてしまって製品化できません。

Agritureの事例:乾燥きゅうり

独自の低温乾燥+カット設計により、みずみずしさを残しつつ“コリコリ”とした新しい食感に仕上げました。乾燥させたことで、生には出せないコリコリとした食感が生まれたことにより、和食店では酢の物や炊き込みご飯の具材として好評を得ています。

乾燥きゅうりの製品情報はこちら

Agritureの乾燥きゅうり

果肉が多く、崩れてしまう野菜(例:トマト)

トマトはカットすると果肉と水分がたっぷりと含まれています。そのため、大きな機会でまとめてカットすると崩れてしまい乾燥後は原型がなくなります。また、天日干しなどの場合は水分量が多いことで、乾き切らずに腐ってしまうなどもあるため注意が必要です。

Agritureでの事例:ドライトマト

弊社では大玉のトマトをスライスして乾燥させています。しかし、機械で流れ作業でやるのではなくスライサーでカットしたトマトを1枚1枚丁寧に並べて形が崩れないように工夫をしています。また乾燥も中低温で行っていることで、焦げないだけでなく長期保存できるように乾かしています。

ドライトマトの製品情報はこちら

Agritureのドライトマト

苦味・えぐみが強く出やすい野菜(例:ピーマン、とうがらし、セロリ)

これらの野菜は乾燥させやすい特徴があります。しかし水分を抜くことで味が濃縮され、野菜本来のクセが際立ってしまうことがあります。

Agritureの事例:万願寺とうがらし・伏見唐辛子

弊社では、京野菜でピーマンと味が似ている万願寺とうがらし・伏見唐辛子を取り扱っています。これらは乾燥させることで青臭さが目立ってしまいますが、下記のように野菜ごとに少し変化を加えることで、飲食店で評価いただける仕上がりになりました。

万願寺とうがらし:じっくり低温乾燥させることで青臭さを抑え、旨味と肉厚感を残したまま仕上げた。乾燥万願寺とうがらしの製品情報はこちら

伏見唐辛子:種のプチプチ感と低温乾燥によりすっきりとした香りを活かし、コーヒー香料やラーメン具材として活用。 乾燥伏見唐辛子の製品情報はこちら

乾燥した万願寺とうがらし

アクが強い野菜(例:ほうれん草・にら・たけのこ)

アク成分が凝縮されると苦味やえぐみが増し、戻した時にクセが際立つことがあります。

Agritureの事例:ファイトリッチ弁天丸を使った乾燥ほうれん草

アクが少なくいファイトリッチ品種の弁天丸ほうれん草を使用。また、茎と葉を分けて別々に乾燥することで、料理用途に合わせた展開を実現。

乾燥野菜の製造で重要な3つの視点

品種選定:同じ野菜でも乾燥適性に差がある
例:ほうれん草(アクが多い)→弁天丸(アクが少ない)

野菜の特徴を考慮したカット方法:スライスや輪切など
例:トマトはスライスにして果肉等が残るように、丁寧に並べる

乾燥工程の設計:温度・時間の最適化
栄養価・風味を残すためには、100℃前後の一括乾燥ではなく、段階的に調整が必要

乾燥野菜の原料卸はこちら

OEM商品としての乾燥野菜の強み

乾燥野菜は、BtoB用途や食品OEMでの開発においても多くの利点があります。

常温保存可能で流通コストを削減

軽量・低容積のため輸出にも向く

フードロス削減・アップサイクル素材としてSDGs文脈にも合致

規格外野菜・端材の有効活用にも

「乾燥野菜にできない」とされていた素材も、加工技術・カット工夫・品種選定によって商品価値を持たせることが可能です。

規格外野菜を使った商品開発について

まとめ

乾燥野菜は「ただ干せばできる」ものではありません。製造には、野菜の性質・目的用途・最適な乾燥条件を見極める“設計力”が求められます。乾燥に向かないとされる野菜も、製造方法の工夫によって新たな商品価値を生み出すことができます。

Agritureでは、乾燥技術・品種選定・OEM開発まで一貫対応。少ロットからもご相談可能です。野菜の製造・商品開発に課題がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

乾燥野菜の原料卸はこちら
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この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO
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