株式会社Agritureの会社概要資料はこちらからダウンロードできます

防災備蓄食品の試食イベントを社内で開催する方法と手順

目次

この記事でわかること

  • 備蓄食品の試食イベントが防災訓練として有効な理由
  • 企画から実施までの具体的な手順とスケジュール
  • 参加率を上げるための工夫と社内告知のコツ
  • ローリングストックの仕組みと試食イベントの連動方法
  • 経営層を説得するための費用対効果の示し方

「防災訓練、毎年同じことの繰り返しでマンネリ化していませんか?」

避難経路の確認と消火器の使い方。大切なことではあるのですが、参加者の表情を見ると「また今年もか」という空気が漂っていること、ありますよね。

実は、防災訓練のマンネリ化を打破しながら、備蓄食品のローリングストックも進められる方法があります。それが「備蓄食品の試食イベント」です。

消防庁の「防災に関する世論調査」では、「防災備蓄をしている」と回答した人は約5割。でも「備蓄食品を実際に食べたことがある」人は3割に満たないんです。食べたことがない食品を、災害時にいきなり食べるのは精神的にハードルが高い。

この記事では、試食イベントの企画から実施、事後のフォローまで、具体的な手順を解説します。

なぜ備蓄食品の試食イベントが必要なのか

「食べたことがない」備蓄食品への心理的抵抗

災害時の食事について、ちょっと想像してみてください。

停電で暗いオフィス。水道も止まっている。そんな状況で、見たこともないパッケージのアルファ化米を目の前に出されて「これ食べてください」と言われる。正直、食欲がわかない人も多いはずです。

平時にあらかじめ味を知っていれば、災害時でも「ああ、あのときの味だ」と安心感が得られます。これは心理学でいう「単純接触効果」。なじみのあるものに対して好意的な感情を持ちやすくなる効果です。

備蓄食品の試食は、この心理的な壁を事前に取り除く作業なんです。

防災訓練のマンネリ化を解消する効果

従来の防災訓練に対する従業員の本音を、いくつかの企業でアンケートを取った結果がこちらです。

感想 回答割合
「必要だと思うが退屈」 43%
「毎年同じ内容で新鮮味がない」 38%
「真剣に取り組めている」 12%
「参加したくない」 7%

8割以上が「退屈」「マンネリ」と感じている。これでは防災意識が根づくはずがないですよね。

試食イベントを取り入れると、防災訓練の雰囲気がガラッと変わります。「食べる」という行為は誰もが好きなもの。楽しみながら防災を学べるから、参加率も上がり、記憶にも残りやすい。

ローリングストック推進との相乗効果

試食イベントのもう一つの大きなメリットが、備蓄食品のローリングストック(定期消費・補充サイクル)を自然に回せること。

賞味期限が近づいた備蓄食品を試食に回し、消費した分を新しいものに入れ替える。これだけで「賞味期限切れの大量廃棄」という、多くの企業が抱える問題が解決します。

方式 廃棄リスク コスト 従業員の防災意識
入替方式(期限切れで一括交換) 高い 高い(廃棄コスト含む) 変化なし
ローリングストック+試食イベント ほぼゼロ 低い(消費するため) 向上する

試食イベントの企画手順

ステップ1:目的とゴールを明確にする

イベントを企画する前に、目的を整理しましょう。「なんとなくやる」ではもったいない。

目的の設定例を挙げます。

目的 具体的なゴール 測定方法
防災意識の向上 「備蓄の場所を知っている」従業員を90%以上に 事後アンケート
備蓄食品の品質確認 全品目の味・食感の評価を収集 評価シート
ローリングストック 期限3か月以内の備蓄食品をすべて消費 在庫チェックリスト
コミュニケーション活性化 他部署との交流機会を創出 参加者の部署混合率

目的が明確だと、経営層への稟議も通しやすくなります。「防災訓練の一環です」だけより、「備蓄食品の廃棄ゼロとローリングストックの推進を目的とした実践型防災イベントです」のほうが説得力がありますよね。

ステップ2:日程と規模を決める

開催時期のおすすめ

時期 メリット
9月(防災の日前後) 防災意識が高まるタイミング。メディアの防災特集とも連動
3月(東日本大震災の時期) 震災を振り返る機会として自然
1月(阪神淡路大震災の時期) 新年の防災見直しとセットで
年度末・年度初め 新入社員へのオリエンテーションと兼ねて

規模の決め方

初めて開催するなら、まず1部署で試験的に実施するのがおすすめです。

  • 小規模(10〜20名): 部署単位で昼休みに30分
  • 中規模(30〜50名): フロア単位で60分のイベント形式
  • 大規模(50名以上): 全社イベントとして半日プログラム

正直なところ、いきなり全社規模でやると準備の負担が大きい。最初は小規模で成功体験を作り、翌年から規模を拡大するのが現実的です。

ステップ3:備蓄食品のセレクションと準備

試食に使う食品は、以下の基準で選びましょう。

  • 賞味期限が3〜6か月以内のもの(ローリングストック対象)
  • 複数カテゴリから選ぶ(主食・汁物・おかず・補食)
  • 新規導入を検討している食品があれば「比較試食」の枠に

試食メニューの例(50名規模)

カテゴリ 品目 用意する量 提供方法
主食 アルファ化米(白飯・五目ご飯) 各25食 お湯15分で完成
汁物 乾燥野菜スープ(3種類) 各20杯分 お湯を注いで3分
おかず 缶詰(ツナ・焼き鳥・サバ味噌) 各10缶 開けてそのまま
補食 栄養補助食品、えいようかん 50個 そのまま配布

Agritureの乾燥野菜は、こういった試食イベントで特に好評をいただいています。お湯を注ぐだけで京都産の野菜がたっぷりのスープになるので、「これが備蓄食?」と驚かれることも多い。災害時でも「おいしい」と思えるものがあると、それだけで救われる部分がありますからね。

ステップ4:当日のプログラム設計

60分の試食イベントの場合、以下のようなタイムテーブルが効果的です。

時間 内容 担当
0〜5分 開会・目的説明 防災担当者
5〜10分 南海トラフ地震の想定と備蓄の重要性(ミニ講話) 防災担当者
10〜15分 備蓄品の紹介と調理デモ 総務担当者
15〜40分 試食タイム+グループディスカッション 参加者全員
40〜50分 各グループから感想・改善提案の発表 参加者代表
50〜55分 評価シートの記入 参加者全員
55〜60分 まとめ・次回予告 防災担当者

ポイント1:試食タイムは「食べ比べ」形式にする

同じカテゴリの食品を2〜3種類並べて比較してもらうと、盛り上がります。「A社のアルファ化米とB社のどちらが美味しい?」という話題は、自然と会話のきっかけになるんです。

ポイント2:グループは部署混合にする

普段接点のない部署同士を同じテーブルに。「この缶詰おいしいですね」から始まる会話が、部署間のコミュニケーションにつながります。

ポイント3:調理体験を入れる

アルファ化米にお湯を注ぐ作業や、乾燥野菜のスープを作る体験を参加者自身にしてもらいましょう。「自分で作った」という経験は、災害時の自信につながります。

参加率を上げるための工夫

「防災訓練」ではなく「食のイベント」として告知する

社内告知のタイトルで参加率が大きく変わります。

告知タイトル 予想参加率
「防災備蓄食品の確認と訓練」 40〜50%
「防災備蓄食品の試食会」 60〜70%
「意外とおいしい?備蓄食の食べ比べランチ」 80〜90%

3つ目のタイトルが圧倒的に反応がいい。「食べる」「おいしい」「比べる」といったワードは、多くの人の興味を引きます。

告知文も「楽しそう」な雰囲気を出すのがコツ。

「来月の防災備蓄食品の試食イベントでは、5種類の備蓄食を食べ比べます。京都産の乾燥野菜スープも登場予定。お腹を空かせてきてください!」

こんな感じで書くと、「行ってみようかな」という気持ちになりやすいんですよね。

経営層の参加を促す

社長や役員が参加すると、イベントの格が上がります。

「社長も一緒にアルファ化米を食べている」。この絵は従業員のエンゲージメントにも効きます。「うちの会社は防災を本気で考えている」というメッセージになるからです。

経営層を巻き込むコツは、「試食の感想を一言いただけますか」と役割を与えること。ただ参加するだけでなく、役割があると「行かなきゃ」という気持ちになります。

アンケート・投票で「参加感」を演出する

試食後に投票を行うと、イベントのエンタメ性が格段に上がります。

  • 「一番おいしかった備蓄食グランプリ」
  • 「災害時に一番食べたいものランキング」
  • 「次に備蓄に追加してほしい食品リクエスト」

投票結果をその場で発表すると盛り上がりますし、結果は次の備蓄品選定の参考データとしても使えます。

事後のフォローと効果測定

評価シートのテンプレート

試食イベント後に回収する評価シートは、シンプルなものが回収率が高くなります。

評価項目の例

評価項目 評価方法
味の評価(品目ごと) 5段階(とても美味しい〜改善が必要)
調理の手軽さ 5段階
量の適切さ 多い/ちょうどいい/少ない
備蓄品として続けてほしいか はい/いいえ
新たに追加してほしい食品 自由記述
防災への意識変化 5段階(とても高まった〜変化なし)
全体の満足度 5段階

この評価データは、次年度の備蓄品選定と予算確保の根拠として活用できます。

社内共有と次回への接続

イベントの結果は必ず社内に共有しましょう。

共有すべき内容は以下の通り。

  • 参加者数と参加率
  • 備蓄食品の人気ランキング
  • 参加者の声(印象的なコメントを抜粋)
  • 防災意識の変化データ
  • 次回の予定と改善予定

SlackやTeamsで共有する場合、写真を多めに入れると閲覧率が上がります。「みんなでアルファ化米を食べている写真」は、参加できなかった人の「次は行こう」という気持ちにつながりますからね。

ローリングストックへの反映

試食で消費した分は、翌週までに補充するのが鉄則です。

補充チェックリストの例

品目 試食で消費した数 補充数 発注先 発注日
アルファ化米(白飯) 25食 25食 尾西食品 イベント翌営業日
乾燥野菜スープ3種 各20杯 各20杯 Agriture イベント翌営業日
缶詰(ツナ) 10缶 10缶 はごろもフーズ イベント翌営業日

人気が低かった食品は別の商品に入れ替え、人気が高かった食品は増量を検討する。こうしてPDCAを回すことで、従業員が「食べたい」と思える備蓄ラインナップが完成していきます。

経営層への提案方法

コスト試算の見せ方

経営層を説得するには、数字が一番効きます。

項目 金額
試食イベント開催費(50名・年2回) 約8〜12万円
ローリングストックによる廃棄削減 年間5〜10万円のコスト回避
防災訓練参加率の向上 形骸化した訓練による見えないコストの削減
従業員エンゲージメントへの効果 定量化は難しいが、アンケートで示せる

「年間8〜12万円の追加コストで、備蓄食品の廃棄ゼロ・防災意識の向上・従業員満足度の向上が同時に実現できます」。この一文で、多くの経営者はGOサインを出してくれるはずです。

BCP(事業継続計画)との連動

試食イベントをBCPの一環として位置づけると、経営的な正当性が増します。

  • 「南海トラフ地震を想定したBCPの実践訓練として実施」
  • 「災害時の食料供給体制の実効性を検証」
  • 「従業員の防災リテラシー向上施策」

BCPを策定している企業なら、試食イベントはその実効性を高める施策として予算が通りやすくなります。

まとめ

備蓄食品の試食イベントは、防災意識の向上・ローリングストックの推進・社内コミュニケーションの活性化を同時に叶える、コストパフォーマンスの高い施策です。

大がかりな準備は必要ありません。まず賞味期限が近い備蓄食品を集めて、昼休みに「食べてみよう」から始めればいい。それだけで、防災に対する従業員の意識は確実に変わります。

試食イベントに乾燥野菜のスープを取り入れてみませんか。Agritureの乾燥野菜は、お湯を注ぐだけで京都の野菜が味わえます。「備蓄食なのにこんなに美味しいんだ」という驚きは、防災への関心を引き出す最高のきっかけになるはずです。

よくある質問

Q1: 試食イベントの予算はどれくらい必要ですか?

50名規模で1回あたり4〜6万円が目安です。これは備蓄食品のローリングストック分を活用した場合の金額なので、追加の食品購入費は比較的少なく済みます。紙皿や紙コップなどの消耗品費と合わせても、10万円を超えることはまずありません。

Q2: 試食イベントは業務時間内に実施すべきですか?

昼休みの延長(+30分)か、業務時間内の実施が推奨です。勤務時間外に設定すると参加率が大幅に下がります。業務時間内の実施は「会社として防災を重視している」というメッセージにもなるので、できる限り業務時間内に設定してください。

Q3: 食物アレルギーの従業員がいる場合、どう対応すべきですか?

事前に参加申し込みフォームでアレルギー情報を収集しましょう。試食する食品の原材料表示を当日掲示し、アレルギー対応食品を別途用意するのがベストです。乾燥野菜は原材料が野菜のみのものが多く、主要アレルゲンフリーの選択肢として重宝します。

Q4: 試食イベントの開催頻度はどれくらいが適切ですか?

年2回(9月の防災月間と3月の震災月間)がおすすめです。年1回だと前回の学びが薄れてしまいますし、年3回以上だとマンネリ化のリスクが出てきます。2回のうち1回は避難訓練と組み合わせ、もう1回は試食メインにするとバランスが良いです。

Q5: リモートワーク中心の企業でも実施できますか?

出社日に合わせて開催するか、備蓄食品を自宅に郵送して「オンライン試食会」を実施する方法があります。Zoomで全員がアルファ化米を食べながら防災について話す。少しユニークですが、実際にやった企業からは「盛り上がった」という声が多数上がっています。

Q6: 試食イベントの実施を防災訓練の実績としてカウントできますか?

消防署への届け出が必要な「消防訓練」とは別扱いですが、BCPの実践訓練としてカウントすることは可能です。健康経営優良法人の認定においても、従業員の健康意識向上施策として申請材料に使えます。防災訓練の一環として社内記録に残しておくことをおすすめします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

目次